【土地の評価額】境界の確定~測量と筆界特定~

住宅(建物)とは違い、土地は二つとして同じものは存在しません。

そんな特性を持っているからこそ、土地には国が定めたある程度の相場価格「公示地価」などが存在します。

自分が所有している土地がどのくらいの価格なのかを調べる方法について、ここでは紹介しています。

実勢価格

自分が売ろうとしている土地と、類似した土地が実際にいくらくらいで売買されているのかを調べることで、相場を知る方法です。

不動産情報サイト

もっとも簡単な方法は、不動産情報サイトで調べることです。

いま売りに出されている近隣の土地価格を知ることができれば、おおよその相場感はつかめます。

主な不動産情報サイト

簡単に手軽に調べることはできますが、注意も必要です。

これら不動産情報サイトに掲載されている価格は「売却希望価格」であり、実際に売買された金額とは異なります。

また土地のみだけではなく、家ありの土地の価格の場合もあり、ざっくりとした大まかな相場を知ることしかできません。

土地総合情報システム

国土交通省のWebサイト「土地総合情報システム」を使って調べる方法です。

このサイトでは、実際に行われた売買取引の価格を調べることができますので、現実的な相場を知ることが可能です。

約280万件(2017年3月時点)におよぶ膨大な事例が掲載されており、非常に役に立ちます。

1、時期・種類・地域

時期:最新情報を知るために、時期は直近を選びます。

種類:該当する不動産の種類を選びます。

地域:調べたいエリアを細かく選択します。

2、相場をチェック

検索結果に、坪単価や平米(㎡)単価が表示されます。

この検索結果に出てきた情報は、実際に売却された価格です。

非常に便利ですが、市場動向や条件によって価格変動する可能性は十分にあります。

査定

正確な相場を知るためには、不動産会社に査定してもらう方法が確実です。

近隣の売値や売却事例から “予測する” のではなく、個別に査定してもらえますので、より現実的な売却価格を把握できます。

不動産会社は上場しているような大企業から中小企業までさまざまで、「うちはマンション売却が得意」「うちは戸建てなら自信あり」「土地は売却事例が少ない」などの特徴があります。

また地域ごとにも得意不得意がありますので、不動産会社は1社だけではなく複数社から査定をしてもらうべきです。

不動産会社によって査定額に数百万円単位で差が出る、ということはよくあることです。

複数社(最低でも3社程度)に査定してもらうことで、最低価格と最高価格を知ることができ、より適切な相場感をつかむことができるようになります。

個別に一社一社に査定依頼するのは非常に大変ですので、複数社に無料一括査定できるサイトが便利です。

公示地価

公示地価とは、国土交通省(の土地鑑定委員会)が鑑定した、その土地の相場です。

毎年1月1日時点における全国に定めた地点(標準地)を対象に鑑定され、平成29年は26,000地点で実施されました。

「適正な地価の形成に寄与するため」の価格・制度であり、一般の土地取引や、公共事業用地の取得価格算定の規準になることが大きな役割です。

この公示地価を調べることで、自分の土地の相場を知ることができます。

土地総合情報システム

上述した国土交通省のWebサイト「土地総合情報システム」を使うことで、公示地価を調べることができます。

1、検索条件

対象:「地価公示のみ」を選択

調査年:「最新調査年のみ」が選択されているので、そのままでOK

用途区分:住宅地」を選択

地価:特に入力しなくてもOK

2、公示地価をチェック

全国の26,000地点(平成29年時点)の情報のみですので、近隣住所の土地を探します。

公示地価が平米(㎡)単価として表示されています。

駅からの距離なども記載されていますので、自分の土地と条件が似ている土地があれば、ほぼ同価格帯であると判断できます。

全国地価マップ

一般財団法人資産評価システム研究センターが運営する「全国地価マップ」でも、公示地価を調べることが可能です。

1、「次へ」→「同意する」

トップ画面で「次へ」を押し、職業は「その他」を選択後、「同意する」を押します。

2、住所検索

フリーワード、住所、マップの3種類で検索できますので、好みの方法でOK。

3、「地価公示・地価調査」を押す

検索結果が表示されたら、画面右上の「地価公示・地価調査」をクリック。すると画面が切り替わります。

マップ上に表示されている□(黒線の四角)地点が公示地価であり、画面左側の「属性情報」内に表示されます。

画面上に□がない場合は、右上の縮尺を調整することで発見しやすくなります。

路線価

路線価とは、路線(道路)に面する土地1㎡あたりの評価額のことであり、相続税や贈与税を算出する時の基準となります。

路線(道路)ごとに価格決定されるため、同じ通りに面している土地はすべて同じ評価額になることが特徴的です。

1㎡あたりの評価額がわかれば、あとは土地面積(地積)をかけることで、土地全体の評価額(固定資産税評価額)を求めることができます。

全国地価マップ

ここでも「全国地価マップ」が活躍します。

さきほどの手順で検索結果を表示させると、画面上に「赤色の矢印」や「青色の矢印」が出てきます。※出てこない場合は、縮尺を調整。

これらの矢印をクリックすることで、画面左側に路線価が表示されます。

登記簿謄本に記載されている土地面積に路線価をかけることで、おおよその金額を算出することが可能です。

例)路線価20万円、土地面積(地積)120㎡の場合

評価額(相場):2,400万円(=路線価20万円×地積120㎡)

ただし土地の価値(価格)は、形状によっても異なります。

全く同じ広さだとしても、長方形の場合は価値が高まりますが、台形やL字型などの場合は価値が下がります。

したがって、この計算方法での算出額は、参考程度にしておくと良いでしょう。

不動産の相場は、公示地価や路線価などによってもある程度は予測はできますが、市場動向によって実際の売買価格は変動します。

過去の数値データなどを活用することももちろんですが、高値での不動産売却を成功させるのであれば、まずは自分が所有する不動産の価値を正しく把握しておく必要があります。

そのためには、不動産会社に査定・相談し、現実的な金額をはじき出してもらうことが重要です。

測量・境界確定

土地売却の際には「どこからどこまでが、あなたの土地なのか」をはっきりと明記した書類が必要です。

土地の売却成功させるなら、測量・境界確定は非常に大切です。

測量・境界確定の重要性

測量・境界特定が重要な理由は、境界が不明瞭な土地は資産価値が低く、買い手がつかないからです。

測量されておらず、隣地(となりの家)との境界が曖昧ということは、土地面積も曖昧ということです。

そんな曖昧な土地を購入したがる人がいるでしょうか。恐らく滅多にいないでしょう。

また隣地との境界が曖昧なままだと、今後生活していく上で、近所トラブルを生む可能性も十分に考えられます。

不動産売却に必要な書類でも書きました通り、必須ではないですが「測量図」や「境界確認書」の書類提出を求めてくる買主がほとんどです。

測量しておらず隣地との境界がはっきりしない土地は、買主にとってデメリットが大きくなるため、積極的に準備しておきたい書類です。

測量・境界確定の流れ

デメリットを解消させ高値で売却するには、測量し境界を確定しておくしかありません。

登記簿を確認することでも土地面積はわかりますが、近年は、売却時にあらためて測量・境界確定することが一般的になりつつあります。

測量と境界確定は、「土地家屋調査士」という国家資格を持った専門プロ業者に依頼しなければなりません。

売却を依頼している仲介不動産会社から紹介されることがほとんどですので、自分で探す必要はまずありません。

1、資料調査

法務局で資料を取得します。登記簿や公図、地積測量図、隣地(となりの家)所有者が誰なのか、過去に境界トラブルがないかなどを調べます。

2、隣地への挨拶

隣地所有者に、測量・境界特定の作業をする旨などを説明し挨拶します。同時に、境界に関する資料などを持っていないかなどについても調査します。

3、測量

土地家屋調査士が現地を測量します。測量データをもとに製図、境界線を検証します。

4、境界線の立ち会い確認

隣地所有者を含めた関係者全員が、現地で立ち会います。測量結果や境界を確認してもらい承諾を得た後に、境界杭(境界標)を設置します。

5、境界確認書の締結

測量結果・境界について双方合意を得られたことの証明として、「境界確認書」を締結します。2部作成し署名捺印後、それぞれの所有者が1部ずつ保管します。

測量・境界確定の期間

上記1~5にかかる期間は2~3ヶ月程度です。

しかしながら、隣地所有者の協力が得られない、隣地所有者が長期不在…などの場合は、1年以上かかるケースのように長期化する可能性もあります。

「境界確定できない=不動産売却できない」といっても過言ではないので、できるだけ早めに対策しておくことが必要です。

測量・境界確定の費用

土地の広さによって増減しますが、40~50万円前後の費用がかかります。

市や国の立ち会いが必要になる「官民境界確定測量」の場合(国有地に面している、道路や水路の境界)は、さらに高額になり、70~100万円前後の費用がかかる場合もあります。

筆界特定

隣地所有者の協力が得られれば良いのですが、得られない場合は境界確定することが困難です。

このような場合に「筆界特定(ひっかいとくてい)」が用意されています。

筆界特定とは

筆界特定とは、隣地所有者の強力の有無に関係なく、国が筆界(筆界)を決定してくれる公的な制度です。

厳密には、土地所有者(境界確定したい人)の申し立てを受けて、不動産登記業務を管理する法務局の登記官が、一定の手続きの上で境界を定めます。

隣地所有者の同意不要、裁判不要で境界特定できますので、隣人トラブルなどが発生している際には有効です。

筆界特定の流れ

1、申請

法務局で、筆界特定の申請をします。

2、審査

隣地所有者とのトラブル状況などを確認し、筆界特定登記官によって筆界特定をすることが適切かどうか審査されます。

3、調査・測量

筆界調査委員が現地を調査し、測量します。隣地所有者や関係人に、調査委に立ち会う機会を与えます。

4、筆界特定(境界確定)

測量結果を筆界特定登記官が承認することで、筆界特定(境界確定)が完了します。

筆界特定の期間

筆界特定は、平均的に6ヶ月~1年前後の期間がかかります。

裁判による民事訴訟で強行測量する場合は2年以上の時間がかかりますので、裁判なしで実施できる筆界特定は早期解決できる点が特徴です。

筆界特定の費用

費用は、申請手数料という形で法務局に支払います。

支払額は、土地の価格によって決まります。

申請人の土地と隣地の土地の合計価格(固定資産課税台帳に登録された価額)に応じて、それぞれ以下のように変動します。

土地の合計価格(円) 手数料(円)
0~4,000,000 800
4,000,001~8,000,000 1,600
8,000,001~12,000,000 2,400
12,000,001~16,000,000 3,200
16,000,001~20,000,000 4,000
20,000,001~24,000,000 4,800
24,000,001~28,000,000 5,600
28,000,001~32,000,000 6,400
32,000,001~36,000,000 7,200
36,000,001~40,000,000 8,000
40,000,001~48,000,000 8,800
48,000,001~56,000,000 9,600
56,000,001~64,000,000 10,400
64,000,001~72,000,000 11,200

まとめ

土地の境界が曖昧であることは、マイナス要因です。

安値で売却することになるどころか、買い手がつかず、いつまでも売れ残りになってしまうかもしれません。

測量・境界特定には時間と費用がかかりますが、大きな利益を得るための少額投資だと考えて、早めに対策しておくことを強くお勧めします。

※土地ではなくマンション売却についてもまとめています。ご興味ある方はこちらのマンション売却のサイトをご覧ください。